mediVRカグラでは①VR空間の中に患者さんの身体を表示しません。VR空間には「コントローラー」と「目標となるオブジェクト」の2つだけが表示され、これらを重ね合わせる②「点推定」を行うことで、脳に身体動作のイメージを明確に生成させます。これにより一般的にアプローチが困難で
あった深層筋の収縮を促すことが可能となりました。点推定には特に奥行き方向に関する空間座標の指定が重要となるため、mediVRカグラではVR空間内で目標オブジェクトは固定されているか、垂直方向にしか動きません。また、点推定に加えて③動作達成時のみに視覚、聴覚、触覚に刺激を与え
る多感覚生体フィードバック機能を実装することで脳の学習を極めて効率的に行えるようにしています。このような機能を応用した治療を体性認知協調療法や、脳再プログラミング療法と呼んでいます。
患者さんは座位でリーチング動作を行う(a)。ヘッドマウントディスプレイにはコントローラーおよび目標物が映し出されるが自身の体は見えない(b)。安静時(c)、通常リーチング動作時(d)、mediVR カグラ使用時(e)の腹部超音波検査画像。現実空間で行われるリーチング動作時に得られなかった腹横筋の収縮が、mediNVR カグラ使用時に得られていることが確認できます。